電子契約のコラム

【クラウドスタンプ公式】経営セーフティ共済の節税効果とは?


中小企業においては、取引先の経営破綻などによる連鎖倒産のリスクがあります。
万が一の連鎖倒産のリスクを軽減しながら、節税もできる、安心の制度方法があるのをご存知でしょうか。
その制度は「経営セーフティ共済」といい、掛金が損金や必要経費に算入できながら、万が一、取引先の倒産の際には掛金の10倍を限度に共済金の借入ができる制度がありますになります。
節税しながら、万が一の経営リスクに備えられる経営セーフティ共済についてご紹介します。

・経営セーフティ共済とは

中小企業においては1社が手形の不渡りを出したことで、取引先が続々と倒産するといった事態が起こるケースが少なくありません。
自らは頑張っているのに取引先の倒産によって巻き込まれてしまわないよう、リスク対策として中小企業倒産防止共済法に基づき昭和53年4月からスタートした制度が経営セーフティ共済です。
その概要や条件などを確認していきましょう。

〇経営セーフティ共済の概要

経営セーフティ共済とは取引先が倒産したことで、中小企業が連鎖倒産するリスクや経営難に陥ることを防ぐことを目的に創設されました。
無担保・無保証人で加入ができ、取引先の倒産時に回収が困難になった売掛金債権と前渡金返還請求権の実際に生じた被害額か、掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入ができます。
掛金は法人であれば損金、個人事業主は必要経費に算入できるので節税効果もあります。
借入れた共済金は6ヶ月の据置期間の後、借入額に応じて5年から7年かけて返済が求められますが、無利息となっているのも安心です。
ただし、返済期日までに返済ができないと年14.6%の違約金を払わなくてはなりません。
共済といっても返さなくていい保険金とは異なるので注意しましょう。

〇共済から借入できる条件

借入ができる条件には、以下のようなものがあります。は取引先の法的整理、手形交換所における取引停止処分、金融機関の取引が停止されてしまうでんさいネットの取引停止処分、債務整理などの私的整理、甚大な災害の発生によって引き起こされた手形や小切手などの不渡り、甚大な災害の発生によってでんさいが支払不能と認めたケース、特定非常災害による支払不能のケースとなっていますなどが、借り入れできる条件になります。。
一方で、取引先が夜逃げしてしまったケースでは借入が認められません。
中小中量零細企業などにおいては、あるとき、もぬけの殻になるといった事例も実際に多いので、この点は気を付けたいところです。
経営セーフティ共済に加入したからといって油断せず、取引先を選ぶ際は経営状態や信用調査をしっかり行うようにしましょう。
また、取引先事業者の倒産が加入後6ヶ月未満に生じたものであるか、あるいは加入から取引先事業者の倒産日までに6ヶ月分以上の掛金を納付していないときなど、一定の場合も借入ができないため、借入ができない条件についても、しっかり確認しておくことが大切です。

・経営セーフティ共済が節税になる理由

経営セーフティ共済では毎月5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で掛金額を自由に選択でき、途中での増減も可能です。
掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができ、その10倍までの範囲かつ、実際の被害額の範囲で借入ができます。
掛金は法人なら損金、個人事業主なら必要経費に計上できるので、利益を圧縮して節税効果も期待できます。

〇掛金を前納できる

掛金は前納も認められており、前納すると1月につき掛金月額の1,000分の0.9の前納減額金が発生します。
1年以内の前納掛金は払い込んだ期の損金または必要経費に算入でき、節税が可能です。
また、1年を超える分を前納した場合は、各事業年度末(決算期)ごとに、期間の経過に応じて順次、損金や必要経費に計上できます。

・経営セーフティ共済で節税しようとする際の注意点

利益が上がっているから、節税のために損金や必要経費を増やしたいと経営セーフティ共済に加入をする企業や個人事業主もいらっしゃるかもしれません。
取引先倒産のリスク対策を目的にするか、節税対策とリスク対策を同時に目的として加入するため、長期利用を検討しているならいいですが、目先の節税対策として短期間で解約を考えている場合には注意が必要です。

〇解約返戻金を100%にするためには40ヶ月必用

まず、任意解約で掛金の全額を払い戻ししたい場合、解約返戻金を100%にするためには40ヶ月の掛金を納付することが必要です。
3年4ヶ月余りとなりますが、その間に経営が悪化したり、資金の必要が生じたりして解約すると元本割れのリスクがありますので注意しましょう。
単に節税を考えて多額の掛金をかけ続けるのではなく、経営を圧迫しない金額を掛金として調整するようにしたいものです。

〇解約返戻金は収入になる

また、解約返戻金は収入として計上しなくてはなりません。
そのため、解約するタイミングを検討する必要があります。
黒字の際に解約すると、せっかく、掛金をかけてきたときに節税ができても、出口で課税されてしまうことになるからです。
節税効果を最大限に生かして解約をしたいなら、赤字になっているときなどをタイミングにするなど検討が必要です。

結び:連鎖倒産を防ぐために節税しながら対策を

経営セーフティ共済は掛金が損金や必要経費になって節税につながる効果もあります。
もっとも、本来の目的は取引先の倒産による経営悪化や連鎖倒産のリスク対策として機能するものです。
そのため、節税しながらのリスク対策として加入するならいいですが、単に節税だけを目的としたいなら、そのほかの方法も含めて、よりメリットの高い方法を選択するのがおすすめです。

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