電子契約のコラム

【クラウドスタンプ公式】企業文書のデータ化で押さえておきたいe文書法とは


日本では従来、ビジネスを行ううえで重要な文書類について紙での保管が義務付けられてきました。
時代のニーズに応じて法令の制定や改正により、データ化が認められるようになってきましたが、そのためには法令の要件を満たすことが大切です。
その法令の代表となるe文書法について、やはり代表的な法令である電子帳簿保存法と比較しながら押さえておきましょう。

そもそもe文書法とは

e-文書法は2005年に施行され、他の企業などから受け取った契約書などの安全性といった見地から保管が義務付けられる書類について、従来は紙の文書での保存が義務付けられていたものをスキャニングして電子データとして保存することを認めた法律です。
電子契約書など最初から電子データとして存在する書類をはじめ、もとは紙の文書であっても一定の要件のもとにデータ保存を認めた点で、従来の制度の革新を図りました。

電子帳簿保存法との違い

e-文書法は幅広いビジネス関連文書のデータ保存を認める法律であるのに対し、電子帳簿保存法は帳簿と名がつくように、国税に関する文書のデータ保存を認めた法律です。

e文書法の要件

e-文書法による要件として重要なものをご紹介します。
まず、見読性が挙げられます。
スキャンした文書が見えにくい、原本の内容がよくわからないといったデータではダメで、一定の条件を満たす高画質なスキャニングが求められるということです。
第二の要件として完全性が挙げられます。
電子データが消失や改ざん、破損等がないようにしなければならず、そのためにタイムスタンプなどの導入が求められます。
そのほか機密性が保持されていること、文書がすぐに探せるように検索性の整備も必要です。
なお、2015年9月の改正で、従来スキャニング時に必要とされた電子署名の要件も不要になったので、よりスムーズな利用が可能となっています。

電子帳簿保存法の要件

電子帳簿保存法はe文書法よりも7年早い1998年7月に施行されています。
法人税や消費税などの国税の税務申告に関わる書類や帳簿等をデータとして保存を認める法律です。
e文書法の制定や時代のニーズに合わせた改正なども行われました。
まず、要件として国税関係書類をスキャナ保存したいときには、運用を開始する3ヶ月前の日までにスキャナ保存の適用を受けるための申請書を提出して、税務署長の承認を受けなければなりません。

また、真実性を確保するための要件として、紙に記載されている小さな文字やカラーの再現が可能な200dpi以上の解像度及びカラー画像によるスキャニング が求められます。
可視性を確保するための要件として、カラーディスプレイやカラープリンタ等の備え付け義務、検索機能の確保、国税関係帳簿との相互関連性やシステム関係書類の備え付けが求められます。
また、作成したり、受領したりした国税関係書類をスキャニングしたりして保存するうえでは、電子データの作成者及び作成日を証明するための電子署名とタイムスタンプの付与が必要です。
また、訂正したり削除したり履歴を確認できるシステムも構築しなければなりません。

e文書法と電子帳簿保存法の対象となる文書

ビジネスの推進のうえでIT化が進み、環境保護にも役立ち、文書保管の安全性や利便性も高いペーパレス化とデータ化が推進されている時代です。
e文書法が時代のニーズに合わせ、多彩な文書のデータ保存を認める法律であるのに対して、電子帳簿保存法は帳簿の名称がつくように税務関係書類のデータ化を認めたもので範囲が限定されています。

e文書法の対象となるもの

e-文書法は法令による民間の紙文書保存義務について、一部の例外はありますが、基本的にあらゆる文書のデータ保存を認めています。
もともとは、電子帳簿保存法の対象外であった取引先と紙で授受する書類もデータ保存を認めてほしいという企業のニーズを反映して生まれた法律だからです。
従来は3万円以上の契約書と領収書はデータ化が認められていませんでしたが、2015年の9月末の改正で金額を問わずデータ化が認められました。

電子帳簿保存法の対象となるもの

国税関係書類とは契約書や領収書、請求書、見積書などを指します。
ただし、国税関係帳簿書類の中でも帳簿や決算関係書類、契約書や領収書については、特に重要な文書であるので紙による保存が求められており、スキャン保存の対象外です。
なお、改正により、契約書や領収書のうち、記載された金額が3万円未満のものについてはスキャナ保存の対象となりました。

e文書法を活用して企業の文書データ化を推進しよう

企業の文書は法令により保管が義務付けられることや、取引の安全や証拠とする観点から保存が望ましいものが多く存在します。
電子帳簿保存法では国税関係書類のうち一定の条件を満たすもののデータ化が認められるのに対し、e文書法においては、ほぼあらゆる書類のデータ保存が可能です。
両者の目的は異なるので、一概には言えませんが、ペーパレス化やビジネスの効率化が求められる中で、e文書法によるデータ化推進は企業にとってポイントになります。
作成した書類をスキャンするだけでなく、作成から電子署名までを含めて電子化する電子契約を導入すれば、よりスムーズな運用が可能になるので、併せて検討してみましょう。

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